立っていた
北斗七星
タンスの奥から
古くて細いウェストの
ジーンズが出てきた
穿かせるように
開いてみたら
若い時の僕が立っていた
照れ屋もいいけど
好きな娘には好きだって
言っておくんだよ
そのほうが後悔しないから
って声かけた
タンスの奥から
少し履き古した
スニーカーが出てきた
履かせるように
揃えて並べてみたら
若い頃の僕が立っていた
くじけることがあっても
君の為の道は続いているから
夢を持ちなよ
って声かけた
タンスの奥から
少し色あせた
Tシャツが出てきた
着せるように開いてみたら
若い時の僕が立っていた
いろいろ辛いことも
あるかもしれないけど
いいこともあるから
頑張れよ
って声かけた
とーさん
それいいじゃん 頂戴よ
声で我に返り 振り返ると
そこには
僕の成長した いいことが
笑って立っていた