余熱
るか
余 熱
そこは
しろい花が咲いていて
緑も若やいで うつくしい
空気は
いつまでも清澄であり
人々は
よく整えられた
喪服を 纏い、
永遠の
午前を
穏やかな表情
で
過ごして
いる
断崖の
向こうは
いつまでも
青い空 ───
ここが宇宙の果て。
何も
どこにも
ゆかない
よ。
まるで
「 生の意味 」に
めぐり合ったあとの
巡礼の者の
横顔の
ようである。
すべて
済んでしまった
かのようで
終焉の
挨拶を
云いかけたまま
きみは
眠って
いる
( 底流するものがある、
わたしたちを流れて、
未来へと
注ぐ
それを 愛と呼んでもいい
夢と 呼んでもいい
いかり
憎しみ
どんな あられもない言葉も
この流れを
止めることは
できないのだから )
そこで
きみの頬を、
さわる。
嬉しさ
は
まちきれない
地下水
のように
いつまでも
迸り
つづける
酷熱の 季
正午は
いつまでも
遠く
わたしたちは
待ちくたびれて
いたのだ
ろうか
いつまでも
待ち
くたびれて
噴き上がる
炎の
柱に
なって
正午が
おとずれるのを
時折 指を
折ってみたり、
して