「 迷い道 」
椎名

電車の窓から覗く夜の街は
何もかもを包み込んでくれるかのように
やさしくて

胸に渦巻く醜い想い
帰りたくない
まだ
このままでは

自然な笑顔を忘れてしまった
あんなに浮かれていたのに

そうね
夜は何もかも覆い隠す
出あった時の感動も
まっすぐ見つめた瞳の輝きも

何かが変わってしまった?
私のこころが変わったのかもしれない
闇に包まれた街を見ながら
つらつらと想いをめぐらせる

どんな顔で帰ろう
あなたのもとへ
胸に渦巻く背信
ぽつぽつと見え隠れする街灯の明かりに
僅かな希望を繋いで
車窓にうつる自分の顔に微笑んでみせる
うまく笑える?

胸弾むはずの帰路が
今は重い足取りで
ホームに着いた電車を降りる




自由詩 「 迷い道 」 Copyright 椎名 2004-07-20 23:34:28
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