【愛されぬ魂のエルデ】
檻野楴人
自慰行為のその姿が
祈りに似てきたりすると
ひとはしぬのだとおもいました
もう、救いなんてどこにあるものでもなく
独りで創り出す愛のかたちは歪な流線型を保ち
死滅する理性も出生するリピドーも
生まれを同じくして生き別れた兄弟のような気がして
根源につながる一瞬で、頭の中に白
今日も祈るだけの日々が過ぎて
教義などとくに忘れて
ああ、すくわれぬ魂は忘却をしっているか
しっているのだろうか
どちらにしても
祈るだけのいのち
どこにいこうとも
愛されぬ魂のエルデ
(
キリエ、エレイソン
)
自由詩
【愛されぬ魂のエルデ】
Copyright
檻野楴人
2008-07-28 13:36:54