花火について
吉岡ペペロ

南の低いところに

朱い月がまんまるく

すこし離れて花火の明滅


幼な子に花火について語る

それは物足りないリレーのようだ

ベランダから花火を見つめている

わたしの話には耳を傾けない

芥川の話や

消えるもののうつくしさについて

そんなことには興味をしめさない

眼下の明滅に幼い感嘆をあげている


南の低いところに

朱い月がまんまるく

すこし離れて花火の明滅


自由詩 花火について Copyright 吉岡ペペロ 2008-07-26 15:17:48
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