シガー
モリマサ公
道路をわたった向いのコンビニの怠惰な
額の奥にひかりがともってる
「今とてもしあわせだよ」
何度もこの台詞を繰り返す
高速道路の壁を国産車が
ぶち抜いていく
アンデッドなボディーとソールで
みんなわらいながら
芝生の上を歩いて
関東平野にきりもやが
平然とたちこめ
あたしたちはそういう風に東京を
切っていく
廊下を歩いてる人のことを考える
駅の構内の人のことを考える
歩行者天国のことを考える
何億の足首がそれぞれの玄関に帰ることを
祈りというのだろうか
布団で眠ること
少し叫びに似ている
空っぽの水鉄砲
金魚のいなくなった水槽
おれたちは阻止できない
明日かもしれない