シガー
モリマサ公

道路をわたった向いのコンビニの怠惰な
額の奥にひかりがともってる
「今とてもしあわせだよ」
何度もこの台詞を繰り返す

高速道路の壁を国産車が
ぶち抜いていく
アンデッドなボディーとソールで
みんなわらいながら
芝生の上を歩いて

関東平野にきりもやが
平然とたちこめ
あたしたちはそういう風に東京を
切っていく

廊下を歩いてる人のことを考える
駅の構内の人のことを考える
歩行者天国のことを考える

何億の足首がそれぞれの玄関に帰ることを
祈りというのだろうか
布団で眠ること
少し叫びに似ている

空っぽの水鉄砲
金魚のいなくなった水槽
おれたちは阻止できない
明日かもしれない





 


自由詩 シガー Copyright モリマサ公 2008-07-25 03:55:36
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