旅人
佐藤伊織

ある日 上陸した魚の一群が、
砂浜でひなたぼっこをしていた

太陽の光を全身に浴びた魚は
やがて背骨を透き通らせ
口から虹を噴き出した

羽の生えた酸素が空を漂い
酸素が付着した虹は輝きを増す

浜辺はそうした煌めきで
体内を満たしている


自由詩 旅人 Copyright 佐藤伊織 2008-07-21 23:26:16
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