熱帯夜
暗闇れもん

足にまとわりついた
小さな布地を器用に取り除き
私に覆い被さってくる
彼女は何の迷いもなく
舌なめずりさえして
私を残さず食べる気なのだろう
男であるはずの私が
柔らかな彼女に組み敷かれお腹を見せてなすがままに
私は愛で満たされていたけれど
まだ若い彼女は、お腹を空かして吠えていた
頭が少しずつ溶けていく
ふたりして
肉食獣になって
熱帯夜を越えていく


自由詩 熱帯夜 Copyright 暗闇れもん 2008-07-21 20:54:16
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