タスケテー
風船6号

 眠りから覚めて、煙草が吸いたくなるが
 千円にするだとか五百円にするだとか言って
 国と新聞記事に脅されていたのでやめた

 ぼくも脅してみようかな、と思ったが
 逮捕するだとか、くびにするだとか言って
 国と会社に脅されていたのでやめた

 だので、今こうして文章で反撃するのだけど
 いかんせん密か過ぎるし、ただの愚痴になる
 ネットも怖くなってきているのでやめた

 部屋の隅で禁煙パイポを咥えて
 ゴキブリやペットを脅してみる

 彼らは飄然と立ち去ったのに
 ぼくはこうしてぶるぶる震えている

 震えすぎて腹が減ったので冷蔵庫を開けると
 値上がりして、お一人様ひとつまで、のバターが干からびていて。


自由詩 タスケテー Copyright 風船6号 2008-07-21 17:17:10
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