ウォーム・ウェイブ
セルフレーム

聴こえる。


聴こえる。


解る。


これは、君の音。


―ウォーム・ウェイブ―


はじめて、綺麗だと思った。


夏の海は嫌いだった私が、


はじめてそう思えた。


君は微笑んで、


蒼の上で言った。


『 』


聞き取れなくて、顔を 歪ませた私に、


君が言った。


『 』


そんな君が、


死んだ。


あの日と同じ蒼。


あの日と同じ波。


あの日と同じ太陽。


あの日と同じ風。


その中に、一つだけ違うものがあった。


真昼の月。


―そうか。


君は、元の姿に戻っただけ。


君は、影の月だったんだね。


『綺麗だろう』


『此処は、真実みたいだ』


暖かい波に、


涙が溶けた。


―そうだね。


この海は、


此処に在る全ては、


本当に


本当に


君の姿に


似ているね―


自由詩 ウォーム・ウェイブ Copyright セルフレーム 2008-07-19 14:25:27
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