に抱かれて
北斗七星
また今日も
定期的に
おしつけがましく
ありがたいことに夜がくるんです
あまり早い時間に
目を瞑ると
くるくる回ってしまいそうで
だから気持ちよく我慢して
今日も少しの自由を抱えた夜の
多分
多分だけど
少しひんやりの
女の神様に
抱きついています
暗い空の
ファスナーを開いて
今日と昨日とその前と
遠い昔に覚えてた言葉が
感情の魚群と一緒に溢れてきます
だから
あまりに早く目を瞑ると
くるくる頭の流れが回ってしまいます
真っ暗なベランダに
怪しげに座り込み
そっと胸の蓋を開けると
明日と明後日とその先と
遠い未来に忘れてく言葉が
感情の鳥の群れの影と一緒に
飛び立っていきます
だから
くるくる回って
くるくる流れてしまわないように
月をじっと見ています
僕は何処かにいる
知らない誰かと
おんなじで
きっと
くるくる回ってしまわないように
夜の女の神様に抱かれたまんま
月をじっと見ているんです