後ろ髪
唐草フウ

切っておとした
年月がそこには
ねりこまれていて
しみこまれていて
一部が一部じゃなくなる日
わたしから切り離される日


掃かれるだけの、それ
気に入り顔たちを鏡は映し
颯爽と
前を向いて闊歩してゆく



そういうものなのか
そういうものなのだ
上から、下に
二度とめぐらない
同じ通り雨と同じ

 <またのびるからいいじゃない
そう割りきるのが
年々得意になって
見えないうしろを
払うのが平然になって

だけどときどき
ほんとに時々
ひっぱられるのが、少し懐かしく


自由詩 後ろ髪 Copyright 唐草フウ 2008-07-18 16:30:49
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