消音行列
北斗七星
思案の案山子
飾りすぎて
緑青(ろくしょう)に
ヤラれたか
この胸の蝶番は
軋み
笛が響かず
せつない唇の涙の塩に
ヤラれたか
耳の奥の細道は
提灯ひとつで
未(いま)だ獣の眼さえ光らず
鐘を鳴らして
心が通る
琵琶を鳴らして
心が通る
悲哀を鳴らして
心が通る
伝わる鈴の瞬き凍る
見回す景色は
消された像にヤラれたか
ほぅ ほぅっ と
法師が笠を斜(はす)に
雨の中
草鞋を濡らす
鐘を鳴らして
心が通る
琵琶を鳴らして
心が通る
悲哀を鳴らして
心が通る
消えた音は何処か
心が通る