僕の家の前の道が学校に直通しているという事実。
青木龍一郎

学校が、毎日決まった時間に子供達を吸い込む巨大な怪獣に見えるんだよね。

街からは朝の8時過ぎあたりから子供が消えていくんです。
じゃあ、消えた子供はどこに行ったのかというと、学校の腹の中なわけですよ。
そんで、夕方がきたら吐き出す。
これを毎日繰り返すことによって、学校は生きてるんです。

笑顔で校門をくぐる子供達が、洗脳されて、自ら口の中に飛び込んでいく食料みたいで
笑顔で校門をくぐる子供達が、洗脳されて、自ら口の中に飛び込んでいく食料みたいで
何だか不気味で仕方ないんです。

みんなが食べられてしまったとき、僕は何をしてるかというと、家で寝てるわけですよ。








僕は馬に乗って駅伝のコースを駆け巡る。
僕は必死に奇声をあげながら、馬の上で両腕をぐるんぐるん振り回している。
後ろを見ると、駅伝の中継車がついてきている。











そんな夢を見てるわけですよ。
(あぁ、現実に街をこの僕が馬に乗って駆け巡ったらあの娘はどんな夢を見るんだろう。
きっと、小学生が僕の生首でキックベースしてる夢。
小学生に蹴り飛ばされた僕は、宙を舞いながら苦笑いしている!)


僕は、学校からも無視されているかのようだ。
皿の上に残された、子供達に無視された、ニンジンまたはピーマンのように、僕は、子供達が消えた街をトボトボをふらついている。


たまに、僕のほかにも学校に無視された奴が居て、でも、僕らは互いを無視する。
テレパシーを送る。

「お前もニンジンか」






僕が学校の校門の前に立てば、公舎の窓から、食べられた奴らが顔を出す。
楽しそうにこっちを見つめる。
そしてこう叫ぶ。

「やいやい、不登校の青木龍一郎!お前はそこで何をしているんだ。
 このフカフカのソファの上で寝られないなんてかわいそうな奴だ。
 俺ら子供。俺ら子供。よだれ垂らして笑ってられる子供。
 この学校という名の監獄という名の天国の中で俺達はキスをしている。
 男女構わず、チュッチュチュッチュしている!
 今、俺らの後ろで校長と教頭がチュッチュチュッチュしている!
 学校ってそんな場所なんだぜ!
 体育館、男子トイレ、理科準備室に保健室。
 どこにも、微かな光が差し込んでいる!
 学校だ。
 校庭の隅の花壇、女子トイレ、美術室に4階の蛇口!
 そこにも、微かな光が差し込んでいる。
 学校だ。
 合奏室、職員室、屋上にお前の怖がっている教室
 そこにも、微かな光は差し込んでいる!
 学校だ!
 学校だ!学校だ!学校ですか!?学校です!!
 吐き気をもよおしても、笑顔で黒板にチョークをなすりつける。
 そして、先生先生と目上のものにまとわりつく。
 俺らはこの終わることの無いように見える、異世界の中で腹の中にどす黒い血を溜め込むぞ!
 畢竟するに、男女構わず、チュッチュチュッチュしている!」



何がチュッチュチュッチュだ。

お前らは食べられてるんだよと思う。


学校が少し揺れたような気がした。
僕は、校門の前にうんこをした。
そして、下校時間、電柱の影からそのうんこを監視していたら
名前知らない普通の女生徒が踏んだ。


家に帰り、壁に寄りかかって部屋の天井を眺めていた。
無意識によだれがちょっとでていた。
部屋には微かな光が差し込んでいた。


自由詩 僕の家の前の道が学校に直通しているという事実。 Copyright 青木龍一郎 2008-07-15 23:39:01
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