想像妊娠
あきな

思い込みから想像妊娠をした女の 子どもは
一体 どんな顔をしているのだろうか

上目遣いの鋭い瞳をしているだろうか
それとも
夢見がちな丸い瞳をしているだろうか
いいや
きっと
焦点の定まらぬ うつろな瞳をしているに違いない
だって その子どもの母親は
魂を唯ひとつのことのみに捧げていて
産み落とされたのは
抜け殻になった彼女の心なのだから

そんな子どもの人生を
女は考えることもなく
子どもを可愛がっているように見せかけて
生まれた瞬間から破滅へと向かう幼子を
初めて抱いた感触以外は
すべて
忘れているのだろう



自由詩 想像妊娠 Copyright あきな 2008-07-14 22:19:51
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