姉妹BOX
石瀬琳々

仲の良い姉妹がいた
双子みたいだったけど
双子じゃなかった
同じ髪型をし同じ目をし
同じ口もとで笑った


寝る時も食べる時も一緒だった
片時もはなれた事がなかった
花が咲く時も
雨が降る時も
二人して眺めて
だからはなれないと決めた


   手をつなぐと見えるでしょう
   宇宙に光る星が
   まるで私たちのように輝いている
   ずっとずっとこうしていよう


ある日姉妹のもとに箱が届いた
何のへんてつもない箱だ
中をのぞくと真っ暗で
気づくと
姉妹は閉じ込められていた


   でも怖くないわ
   手をさぐるとぬくもりが伝わる
   ああ私たちも星になれるでしょう
   だからずっとこうしていよう


何日経ったのだろう
ふいに箱が開けられた
そこには
ひとりぼっちの女の子がいて
目をぱちくりしながら二人を見てた
三人はすぐに仲良くなった
ずっと前から姉妹みたいに


   いいえ これからも姉妹なの
   これからも きっとよ、ね


そしてまた時が過ぎ
星の瞬くほどの時が過ぎ
箱が次々と
意味もなく開けられるだろう
まるで
空につながる星座のつらなり
姉妹が今も生まれ続ける


   さあ手をつなげば分かるでしょう
   もうはなれる事はない
   だって星 私たちは
   だからずっとこうしていよう
   ずっとずっとこうしていよう




   


自由詩 姉妹BOX Copyright 石瀬琳々 2008-07-11 13:49:39
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