不届き
kei99

公園の隅
ベンチの宇宙
俺はまた
全ての嘘を
イヤホンに押し付けていた

流れる時と
流れる音が
静かに混ざる
混ざって消える
不埒だな
一人呟く

直感的な
嗅覚が正しかったら
俺はその場で言えただろう
「浮気者!」
溢れる才能を認めることは
時に辛く厳しい

単調な言葉は
子供のおもちゃに似ている
ポロポロポンポンポン
固まった脳味噌には
丁度良い

残酷な電子レンジは
押し黙ったまま
暖める

暖まったものは
例え一度冷えた虚構でさえ
おいしく感じさせる


自由詩 不届き Copyright kei99 2008-07-11 00:00:06
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