帰りの電車で / これもまた過去の記憶
beebee




私は自分が泣くとは思わなかった


同僚と酒を飲み
語り合い
別れた時
涙が出た


酒を飲んで居ても友に言えなかった
卑しい自分についての想いが
忘れてしまっていた何かの記憶が
突然
私を泣かせた


私は帰りの電車の中で泣いた
泣きじゃくり
背をずらし崩れ落ちた
他人を気にする余裕もなかった


寮へ帰って独りになるとまた
訳も分からず大声で泣いた
部屋の中を転げ回り
独り泣きじゃくった


布団を蹴り
空き缶を跳ね飛ばし
背広をしわくちゃにして
独り泣いた


私は酒に酔っぱらっていたのか?

私は自分が可哀想で/可愛くて泣いたのか?


何も分らなかった
泣いて 泣いて
私は眠ってしまった


これもまた過去の記憶だが



自由詩 帰りの電車で / これもまた過去の記憶 Copyright beebee 2008-07-10 02:36:21
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新・純情詩集