廻転
由志キョウスケ

一瞬 一瞬 が
連続 して
動いて いる
呼吸(いき) を して
いる


血液 は
その 流れ を
止まない
心臓 は
規則 正しく
「時」 を
すり減らす


動いている ものは
止まない
流れている ものは
止まない
廻転する輪 は
止まらない


 *


道端の 雑草
を 粉々に
踏みつぶす
季節 が
まわって
白い花
が 咲いた


僕は アアー
愚かもの


ナイフ を
ポケットに
街を 歩く
僕 の 終わり

いつ やってくる
左手首

光る ナイフ
僕 の 終わり

何が 始まる


僕は アアー
愚かもの


何も
終わらせ られず
何を
始める ことも
できない
くるくる と
ひとり 流される
まま、まま


  *


名前も知られぬ 雑草
何度
踏みつぶされても
小さな 白い

が 咲く


名前も知られぬ 雑草
僕 は
おまえ に
軽蔑され
哀れまれ
それすら 値しない
(か)


  *


動いている ものは
止まない
流れている ものは
止まない
廻転する輪 は
止まらない


僕 は ひとり
くるくる と
流される、れる
まま の
愚かもの


立ち止まる こと

できぬ
愚かもの


アアー






自由詩 廻転 Copyright 由志キョウスケ 2008-07-08 22:34:18
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