廻転
由志キョウスケ
一瞬 一瞬 が
連続 して
動いて いる
呼吸(いき) を して
いる
血液 は
その 流れ を
止まない
心臓 は
規則 正しく
「時」 を
すり減らす
動いている ものは
止まない
流れている ものは
止まない
廻転する輪 は
止まらない
*
道端の 雑草
を 粉々に
踏みつぶす
季節 が
まわって
白い花
が 咲いた
僕は アアー
愚かもの
ナイフ を
ポケットに
街を 歩く
僕 の 終わり
は
いつ やってくる
左手首
で
光る ナイフ
僕 の 終わり
で
何が 始まる
僕は アアー
愚かもの
何も
終わらせ られず
何を
始める ことも
できない
くるくる と
ひとり 流される
まま、まま
*
名前も知られぬ 雑草
何度
踏みつぶされても
小さな 白い
花
が 咲く
名前も知られぬ 雑草
僕 は
おまえ に
軽蔑され
哀れまれ
それすら 値しない
(か)
*
動いている ものは
止まない
流れている ものは
止まない
廻転する輪 は
止まらない
僕 は ひとり
くるくる と
流される、れる
まま の
愚かもの
立ち止まる こと
も
できぬ
愚かもの
アアー