コインロッカー
そらの とこ

与えられた番号は
000040000
1億あろうかというコインロッカーの
その中の40000番目のロッカーが
私の自由であった

そのコインロッカーに
昨日のストレスを詰め込むこともできる
明日の憂鬱を詰め込むこともできる
今日の
あ、やっぱやめた。

この鍵で開けよ
と言って000040000番の鍵をくれたじぃさんは
今誰に鍵を渡してる?
ところで
コインロッカーはどこ

駅前の広場にロッカーがいた
ジャンジャカジャン イエーイ
周りの景色とは似ても似つかないロッカーだ
演奏が終わったところで気持ちのない拍手を小さくし
ちらちら鍵を見せ付けた
ロッカーの目は空ばかり見ていた


その向こうにあるのかな?コインロッカー
多分上下左右のどれかのロッカーにあなたがいるね
だから早く見つけたいんだ
000040000

その時フゥワと風が吹いて
鍵をさらって行った
サラララ消えていく鍵

もう鍵に触れることはない
じぃさんに会うことも
コインロッカーに会うことさえもない
でもそれでよかったのかもしれない

私を仕舞う
000040000

今何も仕舞うものなんてないから

明日にはじぃさんのこともコインロッカーもロッカーも忘れちゃえ


自由詩 コインロッカー Copyright そらの とこ 2008-07-08 00:33:01
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