ささやき色
Izm


風の中に浮かぶ 涙を見た
夕暮れに染まりながら
きっと私は 待っていた

紅葉のような深紅のルージュ
長い髪は あなた色
柔らかな声は もうひとりの私

さあ 迎えに来て
今宵は熱く本能のままに

まだ見ぬ素顔は遠く浮かぶ
雲のように掴めない

どんなにもがいても
海辺の記憶は離れない
ふたつのグラス
割れた破片が呼んでいる

あなたの愛に泳ぎ疲れて
眠るように揺られていた

いつか出会うでしょう
その時には
もう届かない

私は此処よ

私は何処に・・・?


ささやき色の日々に抱かれて
あなたは眠り続ける



自由詩 ささやき色 Copyright Izm 2008-07-07 16:05:48
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