ねこのだっそう
りゅうのあくび

しごとがえり
げんかんのちかくで
むかえる
ねこのまなざしは
ききとして
ふぜいがあり
わらってしまう
えくぼはできる

 *

あめのひ
いえのなかで
よくねむっていたねこが
はれたひのゆうがた
だっそうのけいかくを
ねっているとは
だれもわからず

 *

げんかんの
かざりみたいに
くつばこのうえ
よんほんのあしを
そろえるように
きちんとすわり
ちゃんすをまち
したくする
  
 *

だっそうのげんばで
どあをゆっくりと
あけるとき
ひらくかくどのおおきさ
ちいさなねこのいっぽより
はやくさき
にんげんのふといあしを
どあのむこうにねじこむ
ほうもんはんばいをする
せーるすまんみたいに
いえのあいだに
ぐっとあしをだす 

 *

だっそうが
ほんとうに
うまくいったら
ねこは
せかいじゅうへつながる
ながいみちのなかで
やせいにもどり
いきるだろう
うでききの
しりつたんていに
おねがいして
りょこうちゅうのねこを
さがしてもらうときは
にんげんがすむとかいで
そうさくに
たいきんがいる
いざとなったら

 *

いちおう 
いままですべての
だっそうけいかくは
いちもうだじん
だっそうのときは
かならず 
ねこがあられのない
すがたでつかまる
ひじょうじたいは
みすいのまま

 *

にわよりもとおくに
にげないように
いつも 
こうぶつのえさを
おとりにおびきよせる
ねこのなまえをよぶ
まんまだよ〜と
こえをきんじょに
ひびかせる

 *

だから
さいきんのだっそうの
どうきのほとんどは
かつおぶしで
くせになっちゃうよ
ほかになにか
かなしいことが
あったかもしれない
とおいあきのひ
ちいさなあしおとが
かすかにきこえる




自由詩 ねこのだっそう Copyright りゅうのあくび 2008-07-06 11:22:32
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