ミニマル
西日 茜

実験的に無駄を省いたら
風も 木も 波も 空も 木霊も
みんな みんな 同じリズムで
繰り返している

少しずつズレていくのは
それが少しだけ違う音になって
だんだん 少しずつ変っていくからなの

劇的な変化はない
同じリズムの繰り返しの中で
ほんの少しだけズレていく


吹き抜ける風
木の葉のざわめきと梢の軋み
繰り返す波
空に木霊する謳い

感じる


演奏者はまるで機械のように
無機質でしかも鋭角

ミとファの間とシとドの間で
次の実験が始まる

終わるときは
ただただ小さくなって消え入るように
静寂を呼んでくる


自由詩 ミニマル Copyright 西日 茜 2008-07-04 23:57:45
notebook Home 戻る  過去 未来