腹式呼吸
木葉 揺

うまく息が吸えた瞬間の
安堵ヘ向かう手足の喜び
意欲に満ちた血の巡り

波の生き様に寄り添い、
素直に落ちれば自然に昇る

放り出されて尚
手足は重く下がり
すすんで沈むのだから
いずれは押し上げられてしまう

うまく息が吸えた瞬間は
波間から空を見た瞬間だ
血がおしゃべりなお使いに出かけたら
遠慮なく眠ればいい


自由詩 腹式呼吸 Copyright 木葉 揺 2008-07-04 19:43:54
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