君に触れたら1.01
竜門勇気


行き止まりに
立ち尽くす
追ってくる脅迫観念
しびれるぜ
なにもかもどうしようもない
手を出したら
縛られる
声を出したら
首を締められて

倒れこんで
砂食って
喉の奥から
苦い臭いが上がって

息を切らして
見上げる空
君に触れたら
全て変わる
それだけが救い

精神的圧迫は
抜け出す穴を探してる
膨れきった怠惰に
膨大なエネルギー
溜め込んだ抑鬱
君だけに向けて
放つメーザー

分不相応に高い壁だ
越えるには
夢と希望が必要だ
なんてねーよ
んなもん
言ってられずに
走れ
越えろ
誰か やれるぜと笑う
めんどくせーのがそばにいる
いつまで続くかわからない

風も無い
雨も降ってない
小学校の
掲示板のような臭い
十分前
思い出してるような
気分で
十年前
思い出してる

毎年越えるその壁
君にさえ触れれば
全て変わる
救われて報われる
んなわけなくても

増える過去
さっきまで

消える未来
さっきまで

いったいどこまで
この臭いで
世界はどこまで
広がってるんだろう

冗談じゃ無かったら
本気か
最後まで持ってた断片記憶
太陽に投げつけた
陽に呑まれるとき
一瞬光が爆発した
そしてそれっきり
なにも見えなくなった


自由詩 君に触れたら1.01 Copyright 竜門勇気 2008-07-03 23:28:21
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