月夜と闇夜
プル式

月は満ち夜が来て
花の傍に居たはずの何かは
綺麗に溶けて夜に闇をたしました

いくら伸ばしても届かない何かに
綺麗に溶けてしまった闇に
それでも腕を揺らしながら考えます

闇の中に自分がいるのでしょうか
自分の中に闇がいるのでしょうか
花にには判りません

花は全てを飲み込もうとしました
しかし闇夜は大きく飲み込めません
花は全てに飲み込まれ様としました
しかし花は硬く闇夜には溶けきれませんでした

次の日
いつもの様に朝が来ました
花は枯れ木になっていました
枯れ木には昼の陽射しは強く
次第にくすぶり始めると
ついに真黒な炭になりました

その夜
枯れ木は少しずつ夜風に掠われると
すっかり闇に溶けてしまいました。


自由詩 月夜と闇夜 Copyright プル式 2008-07-02 23:20:30
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