掴む
乱太郎
掴む
あなたをしることは
太陽をつかむよう
刻んだ空の破片を
脇に抱えて
あなたを見つめると
丘の上の鐘の音が七色に飛び散っている
あなたはいつもそこで
わたしはいつもここで
あなたは何も話してくれない
宝島を探すように
自分に戸惑いながら
独り漕いで行かなければいけない
あなたは遠くで
それでも
せめて
吐息を感じるところまでと
雲に覆われても
あなたをしることは
太陽をつかむよう
*
空のいろ
いままで
どこにいたのだろう
さっきまで
どうして気がつかなかったのだろう
空のいろを
胸に溶けてしまいそうな
澄んだあおさを
知って
うれしかった