[19歳]
東雲 李葉

答えた年齢に「若いね」って言ってもらえるのも多分今年が最後だろう。
入社したら今度は「平成生まれか」と驚かれるといい。



日記帳を小さくしてみた。1ページで5日がまとまる。
学校行って、勉強して、友達と笑って、バイトをして。
預金残高以外には不平不満はないはずなのに。
毎日欠かさずB5のページを埋めてた頃。
大半は好きな人のことだったけどそれが何より幸せだった。



甘味の失せたチューインガムを噛まずに転がしているように。
口淋しさをお喋りと間食で誤魔化して。
気付いたら無数に開いてた穴を新しい物で埋めていく。
コンビニは高くて嫌いだったけど、
並んでるパンもジュースもおにぎりも今ではほとんど知っている。

……

そろそろご飯が食べたいな。カレーだって作れないけど。
作ったところで食べきれないしやっぱ1人じゃ食べたくない。



19年も生きてきたんだ。
有り難いような申し訳ないような。
尊いような何でもないことのような。
好きなものは増え続けている。欲しいものもなくならない。
本当に必要なものなんてそんなに沢山あるわけないのに。
本当ならもうすでにみんな持ってるはずなのに。

なのに、な。

自分だけ、なんて思わないけど、
誰かと違っていたいのよ。
だけどはみ出ず生きてたいのよ。


自由詩 [19歳] Copyright 東雲 李葉 2008-07-01 16:37:42
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