学期末の落胆
六九郎

いつかは埋められるという
期待を滲ませて
私はそこにいた

そんな私の上を
そんな私の気も知らず
あなたはまるで踊るように
通り過ぎていった
鼻歌でも歌うような気軽さで
慎重さに欠ける気楽な態度で

私は何物をもっても
もはや埋められることはなく
ただびょうびょうとした空白のままで
ただ真白い四角のままで
あなたに汚されることもなく
そのまま
放置されたまま
いまでもあなたを
待っているのだ

どんなにか
私はうらやんだことだろう
たとえ誤答だったとしても
どんなに陳腐な答えだったとしても
あなたの言葉でもって
埋められていく
他の空欄達を


自由詩 学期末の落胆 Copyright 六九郎 2008-06-30 20:05:19
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