煙突掃除の少年 
服部 剛

輪郭のゆがんだ 
おぼろ月の見守る 
灰色の夜の家々 

屋根に置かれた 
梯子はしごの頂に危うく腰かけ 
襤褸ぼろ着を纏う煙突掃除の少年 

ほっぺたを黒く汚したまま 
月夜のひかりを浴びている 

今にも溢れそうな憤りを 
静かに閉じた唇に塞いで 
独りの影を落とす 

届くことない星空に 
目一杯 
幻の両腕をのばして 








自由詩 煙突掃除の少年  Copyright 服部 剛 2008-06-29 23:40:10
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