静けさを測る
rabbitfighter

静けさを測る術を探している。冷たさには限界があるのだけど、

静けさを測る術を探している。住宅街の、小さな公園の、真夜中、ブランコをこいで、こいで、鉄の鎖を軋ませて、泣いてしまいそうだ、どこかの家から、シンクを打つ水の音、消せない耳鳴り、静けさは、、、静けさを、測れ、測れ、、、夜のブランコ、街が音をとり戻すまで、その音の残響を仄めかしながら、揺れていろ

there was, there is, there, ,,, will be, , ,,,

すべてがあるのだという、すべてがあったのだという、すべてが、あり続けていてほしい、そこに怒りや悲しみが、喜びや笑いが、すべてが、あるのなら、そこに種を植えて、稲が、麦が、大豆が、トウモロコシがあるか









映画館は映画館という名前の喫茶店で、小さな店に人が溢れるほどいて、誰もしゃべらない。僕は、静けさを測ろうとしていた。壁掛け時計の振り子が、揺れていた、揺れている、揺れていろ、そこにすべてがあるのなら、語る必要があるだろうか、この静けさを、時計の振り子が、溢れてしまいそうになって、君がグラスを、僕がカップを、手にとって、それから、それを、そっと置いても、そんな微かな音では、静けさを測ることができない、あなたの声が空気を震わせて、消え去ったあとに、それでも、そこにすべてがあって、また夜がやってきて、何度も何度も夜がやってくる。きっとすべてが、静まってしまうまで、静けさが揺れている。



自由詩 静けさを測る Copyright rabbitfighter 2008-06-29 05:02:53縦
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