抑制雨
唐草フウ

雨が抑えている
気持ちにふたをして
重くのしかかるのは
度の強すぎる眼鏡のよう

咳こんだところで
深く吸ったところで
するのはただ、土のにおい
しみてゆくしみてゆく
こころもぬれてゆく
曖昧な日々に
体もしけってくる



タオルがほしい
タオルを投げろ
どんな思いも吸いこんで柔らかに
安らかに生まれる前に包まれてたもの、特別な
それは雨から生まれたのですか
それは雨のさ中に
生まれてきたのですか



雨は抑えている
目深にかぶる黒い帽子で
強いことばを叫んでも
誰なのか気づかれることなく



自由詩 抑制雨 Copyright 唐草フウ 2008-06-28 14:58:45
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