夏と僕と口づけ。
プル式

海に沈んだ小さな舟に
太陽は容赦なく照りつけ
次第に意識は輪郭を無くして行った

いや
輪郭を無くしたのは
僕の方だったのかもしれない

ある雨上がり
水たまりに足をつけたら
そのまま引き込まれてしまった

水たまりの世界は時折
ゆらゆらと世界が揺れる

言葉の狭間と
どうやらここは接している様で
所々で母音や子音が繰り返されている

ぁぁぁぁ
っっっ
ぅぅぅぅぅ
くくく

輪郭の無い僕は次第に
言葉の中に溶けて行った

そうして今
こうして君の溜息に似た言葉の中に
沈んでいる。


自由詩 夏と僕と口づけ。 Copyright プル式 2008-06-28 00:24:59
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