「ハムスターと僕と」
ベンジャミン

噛み合うことのない歯車のように
孤独は在り続ける

カラカラと輪っかの中を駆けている
小さな身体を懸命に動かしても
輪っかは空回りするだけで

前に進むこともなく
ただ同じところを回り続ける
立ち止まることが
楽ではないことを知っているのだ

だから動き続けなければと
取り残されそうな不安に怯えて
それは逃げているのではなく
追い駆けているのだと
思いたくて

だから毎日
こうして輪っかを回している
カラカラと音をたてて
ここに居ると主張している

ふと
回っている輪っかを止めてみた

突然の出来事に
彼は勢いあまって宙返りしてしまう

きょとんとした視線を
見慣れない大きな瞳に向けて


そうやって
僕らは友達になった
   


自由詩 「ハムスターと僕と」 Copyright ベンジャミン 2008-06-27 02:18:55
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