空は青くなかった

よもぎをもいでおばあちゃんにあげると
緑色の団子をつくってくれた
おいしかった

風の音が邪魔をしていた

小野くんはズル剥けだった

佐川急便のふんどしを触る遊びが流行った
学校で怒られた

漢字テストで
「じじつ」がわからず
教室中を
見渡してさがした

水は冷たかった

自転車をこいで
遠くまで逃げた
雲がどこまでも追ってきた

友達全員の電話番号をおぼえていた
語呂合わせで

ピッコロ大魔王の真似が流行った
エドモンド本田の真似は流行らなかった
ダルシムはすこし流行った

田中くんは山城さんに
キーホルダーをあげたので
次の日からいじめられた

だいたいみんなもてなかった
いちばん早く走れるひとがもてた

持久走が嫌いだった

牛乳を飲んだ

オナニーを覚えた

食べてはいけない実を食べた

嫌なにおいがした

ひとりで帰った
空は青くなかった

小野くんの行方がしれない

友達全員の電話番号を
いまでもおぼえている
語呂合わせで

ぼくは勝手に
約束だとおもっている

窓のむこう煙突から
煙が出ていた

おばあちゃんのおっぱいを見た

裸で自転車に乗ったらパトカーがきた

さみしそうだった