僕は偽善というタバコを吸っている。
プル式

僕はタバコを吸う

煙はどこかへ流れる

夢の中で小さな花を手折った
夢の中では小さな花を吸っていた
甘い香りの先に少しほの苦い味がして
僕は花を「ぺっ」と吐き捨てた

花を捨てた僕の首は
少しずつ膨らんで
ついには西瓜の様な大きさに

なってしまった

夢の中で僕はまた小さな花を手折り
口にくわえ直し

ゆっくりと

息を吸い込む

今度は苦い味の先に少し
蜜の味がした


目が覚めて
僕はタバコを吸った

タバコは少しも密の味などせず
花の香りもしなかった

ただ少し苦い味がして

僕はタバコを消した


僕はタバコを吸う
煙は何処かへ消えてしまう

タバコは本当は
花の様になりたかったのだろうか
それとも

そう思いたい

僕が見せた夢なのだろうか。


自由詩 僕は偽善というタバコを吸っている。 Copyright プル式 2008-06-25 00:28:10
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