僕は偽善というタバコを吸っている。
プル式
僕はタバコを吸う
煙はどこかへ流れる
夢の中で小さな花を手折った
夢の中では小さな花を吸っていた
甘い香りの先に少しほの苦い味がして
僕は花を「ぺっ」と吐き捨てた
花を捨てた僕の首は
少しずつ膨らんで
ついには西瓜の様な大きさに
なってしまった
夢の中で僕はまた小さな花を手折り
口にくわえ直し
ゆっくりと
息を吸い込む
今度は苦い味の先に少し
蜜の味がした
目が覚めて
僕はタバコを吸った
タバコは少しも密の味などせず
花の香りもしなかった
ただ少し苦い味がして
僕はタバコを消した
僕はタバコを吸う
煙は何処かへ消えてしまう
タバコは本当は
花の様になりたかったのだろうか
それとも
そう思いたい
僕が見せた夢なのだろうか。