×××
大覚アキラ

思い出し笑いを
小さな箱に詰め込んだら
いつかのクリスマスプレゼントの
きれいなリボンで飾ってあげる

右手には甘いキャンディ
左手には苦いチョコレート
どっちもあげない
どっちもあげる

ウソの甘さと
ホントの苦さに
ミントの香りでシェイクして
指先につけて舐めてみる

静かな暗いところで
ぎゅうっと抱きしめてあげるね
ヴァイオレンスから
いちばん遠いやり方で

プレゼントのリボンが
鮮やかな手つきで解かれていくのを
頭の中をからっぽにして
写真を撮るみたいに見つめて

しっぽの先っぽに
青いバラを結びつけたら
飛ぶようなスピードで
どこまでも走っていこう

ものすごい速さでまばたきして
世界がコマ送りで動きはじめたら
きっともう止まらない
どこまでも飛べる


自由詩 ××× Copyright 大覚アキラ 2008-06-24 12:51:10
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