試み  5
るか

         こころ
         を尋ねて
         こころに
         打たれて
         場所を超えて
         時をはなれて
         ひとつの
         落涙が
         救われる
        
  
         夢を
         みていた
         うすい闇のなか
         時の
         感覚も
         ない
         それが
         いつ誰の
         覚悟
         だったか
         もう 
         思い出さ
         ない
         こころ
         一滴の
         雨垂れ
         あり、ふれて
         どこにも
         ありは
         しない
         一粒の
         錠剤
         こころ
         一行の
         修辞
         何をか
         潤す
         訳でなく
         こころ
         養うべき
         力も
         ない
         こころ
         場所を超えて
         時をはなれて
         こころ
         この隔てを
         打ち
         打たれる
         こころ


         いま
         こころ
         の在所を
         尋ねて
         頷くだけで
         只
         頷く
         だけで
         頷くだけ
         で
         良い
         こころ


         わたしたちの
         外の何処かで


         あてを
         うしなった
         ような
         佇まい で
         暗がりから
         夕昏の
         明るさを
         見すえる
         時に


         こころが
         何故
         微かに
         震える
         のか


         どうして
         それを
         こころ、
         と
         いうのか
         

         訳は
         未だ
         知らなくて


         いい





自由詩 試み  5 Copyright るか 2008-06-24 10:43:17
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