カゴの鳥
渡 ひろこ

「モクテキは何か」
「今 何をユウセンすべきか」
「シテンをどこに置くかが重要だ」


(なんて
 ゴシドウくださるおかげで)


くちゃくちゃの紙クズみたいな
オツムの中は
ひろげてたたんで
キッチリ端をあわせること
ぐらいできそうです


(いつからワタシの保護者に
 なったんだっけ?)


そういえば
アナタが初めて
ワタシの家の敷居をまたいだ日
気づかぬうちに
のしをつけて
差し出された紅白の水引の下
こっそり《親権》も入っていたらしい




(鍵のついたカゴもそえて)




お仕込みの成果か
今じゃワタシが
《キョウイクテキ指導》 を
振りかざし
アナタにピシピシ打ちつける


(カゴの中で
 ピヨピヨしてたのにね)






いつまでも
手のりでいるとはかぎらない
カゴの扉 すりぬけて


ムコウミズ
飲んで
泳いで
溺れたから




やっとこさたどりついた
カゴのとまり木
置いた視点は



アナタより
ひとつ




自由詩 カゴの鳥 Copyright 渡 ひろこ 2008-06-23 19:50:05
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