いつもの席のいつもの仕草
beebee




今日もまた
窓硝子に映った自分を見て、
少し微笑んでみせる。

いつもの挨拶
いつもの仕草、

駅前の喫茶店の指定席、
リングノートにボールペン、
考え事のスタートの決まり事。


でも今日のぼくは
少しふてくされていて、
窓に映る自分も不格好だ。
もともと太った姿だけど、
まったく
今日は乗り気がしないよ。
ペンの走りも湿りがち。


窓の向こうに君の姿でも見えないかな?

いつもの席の
いつもの角度、

改札口の見える席で、

いつもの挨拶
いつもの仕草、

君は映っていないけどね。


別に練習でもないんだけれど、
少し首を傾(カシ)げて
挨拶の真似事なんて、
下心ありありが
笑っちゃうね。


やっぱり梅雨明け前は湿気で
紙も湿(シケ)っている。
だって
ペンの走りが遅いもの。

そんな時君が見えないかな?

風が吹いてくれなくっちゃ
夏が終わらないし、
夏が始まらないよ!


自由詩 いつもの席のいつもの仕草 Copyright beebee 2008-06-22 02:17:38
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