恋愛詩
れつら


黒鳥が空を舞うのを眺めながら
空の青さに目を傷める
そのようにして
わたしたちのあこがれはいまだに止まず

いつ どこで だれかを殺してもいいように
理由を探し続けている
わたしたちは あんまりにも自然だ
別離にはなんの理由もないのに
出会いにも
それから あなたと生き続けていくことにも


明日、目が覚めたら
なにか話そうと思っていて
けれど何について話せばいいのかわからないまま朝をむかえて
そういうふうにできていたのに
わたしたちは自然に 不自然になってしまって
もとの形質を忘れた愛が
書き付けられた紙の上でいまにも燃え尽きそうになっているのを
ただ眺めている

時間に流れを与えれば消えていくのだった
ナイフも放り出せばやがて切れなくなり
黒鳥は夕闇に消えてもう影も見えず
あなたと抱き合えば輪郭は消えていくのに

また

あした


風は
みずから止まるすべを知らず
水は
流れる先を知らず
わたしたちは
また 殺し合いをしていて





自由詩 恋愛詩 Copyright れつら 2008-06-22 01:56:54
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