洗われる街のほとりで
まつお

赤茶けた街のほとりに
くぐもった電飾が舞い
砂めいた波の
荒れた手の女が遊ぶ

草臥れた解体現場
風の吹く
干物の匂い

上り行く老若の唄に
焼き魚の煙は滲み
丸い目の白い羽毛が
淡々と風間を歩く

錆付いた小船の隣
子供らは賑やかに跳ね
張り付いた富士壺が
唯々
潮に洗われている


自由詩 洗われる街のほとりで Copyright まつお 2004-07-15 13:38:13
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