小川 葉

年月とともに
町並みが変わるように
この畑も
様子が変わっていった

ビニルハウスは
引越しを繰り返し
屋根の下で育ったものは
町へ出荷され続けた
そのことだけは
変わらずに

少し色褪せた感じのする
渇いた土は
はじめからそうだったように
なにも語らない

ただいまと言って
帰ってきた
野菜のお墓がならんでる


自由詩Copyright 小川 葉 2008-06-21 05:10:08
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