紅く染まる心
知恵

「次のニュースにまいります」

淡々とした口調でアナウンサーは暗いニュースを読み終え
明るい話題に切り替えた

よくある日常の風景

僕は暗いニュースが風化してしまうことが

ただ ただ 怖かった

情報が溢れている

明るい話題よりも暗い話題が道端の石ころのように転がり
僕はいつも その石ころを拾い上げては 眺めて ただうなだれる

たまった石ころは 醜く酷く鋭利で 僕の心の中に住み着いては傷つけていく

血まみれになった心は いつしか 紅くあることに違和感を感じることなく
それどころか紅くいることを望んでいるかのようだった

きっと血まみれな心は 助けを求めているだろうに


自由詩 紅く染まる心 Copyright 知恵 2008-06-17 01:03:36
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