Missing
衿野果歩

回転する空から
星がこぼれた夜

間違って少し失って
傷口がまた開いて


どうして人は
手を伸ばしても星は掴めないのに
大切な人の傷口に
ナイフを突き立てることはできるんだろう


膨張する空が
彗星を手放した日

君が傷をかばうように
優しく笑ったから


天球が巡るみたいに繰り返す
痛みさえ忘れ去って 何度も
見えないモノを増やして悔やんで

それでも君に出会って


回転する空から
星がこぼれた夜

君が笑って
側で笑って
駆り立てられる



自由詩 Missing Copyright 衿野果歩 2008-06-13 10:59:44
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