街会わせ
桜瀬ろろ
踏み出す街並み。
飲み込む雑踏。
あの頃は あなたがいた。
今は、
持て余した右手を握り締めて
あなたと歩いた道を、
ひとり。
今日も変わらない世界に乾杯。
あなたが確かに存在した空気は、
私のスーツの肩を撫でる風となって
過ぎていく。
永いサヨナラ
今日も変わらないこの街に完敗。
あなたの微笑み、隠した街に。
自由詩
街会わせ
Copyright
桜瀬ろろ
2008-06-13 00:04:40