雷
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曇り空は迷子の心 
今にも泣きだしてしまいそう 
こんな日は気分まで憂欝になるから 
誰かのそばにいたいと思う 
遠くの空から雷が鳴ると 
怒られたみたいでお腹が痛くなる 
私は音が聞こえないように 
貴方のシャツに顔を埋める 
ねぇ、今夜だけは帰らないで。雨が止むまでは… 
いつからだろう? 
こんなに素直になれたのは 
普段は強がっている私でも 
貴方にだけはわがままを言える 
ねぇ、今夜だけは帰らないで。雨が止むまでは… 
幼い頃は両親が忙しくて 
一人でお留守番する日も多かった 
雷が鳴る日は布団に包まって 
帰ってくるのをずっと待っていた 
二人を心配させたくないから 
泣き付いたりなんてしなかった 
甘えを知らない子どもだったんだ 
ずっと色んなことを我慢してきた 
ずっと気持ちを押し込めてきた 
だから貴方に初めて抱き締められた時 
涙が自然と零れ落ちたんだ 
ねぇ、今夜だけは帰らないで。雨が止むまでは… 
ねぇ… 
今夜だけは… 
今夜だけはそばにいて…