太陽
縞田みやぎ
これは秘密のことば
辱められるでもなく
この部屋は
蒸発を続けている
届かないところで
届かない息をしていた
一日に気付かれぬよう
毎分数センチのしたたかさで生きる
この部屋は
青い時間を知っていた今でも
ざらついた水底はかすかに湿り
太陽の高さをはかる
一日に数センチ
傾けよう
見たこともない
不確かさで
太陽はいつも
サ行の不確実をなぞる
生きるところのさらに先に
届かないところに響く
この
青さは
これは秘密のことば
次に生きる君が
この部屋を
思い出すことがないように
自由詩
太陽
Copyright
縞田みやぎ
2008-06-12 00:06:37
縦