タイム場。
砂木
気に入っているお店のお惣菜コーナーから
たこ焼き 十個で298円を購入する
マヨネーズ 紅しょうが つまようじ付き
大型スーパーの駐車場は広い
混み合うお店のすぐ前から
隅の誰も居ない場所に車を移動させる
金網と草木が 目の前の道路から隠してくれる
晴れた青い空と風と 自転車の人達の話し声
追いたてられ 押されるように
角を転がる日々
いつかゆっくりとできる休日がきたら
食べに行こうと決めていた
誰にも命令されずに
このたこは 大きいのだろうか
大きいのだろう
見知らぬ陽射し
覚えていなくてもいい ひととき
たこ焼き十個 意のままに
やがて からになったパックとつまようじを
ビニール袋に入れて
バックミラーで 口紅をつける
これくらいの事
誰に言っても 笑われるだろう
でも
買物しかしてこなかったというそぶりで
またいつか 私は私の欲しがるままに
たこ焼きを食べに来る
おみやげは別に買っても
誰も知らない私の
息継ぎの場所は教えられない